拾われた猫。Ⅱ



悲しそうに眉を下げ、肩を掴まれながら妹に言い聞かされてしまう。


あの襲撃事件の際、〝あの子〟らしき少女が新撰組の仲間であろう人物らに連れ去られたとの報告があった。

念の為、新撰組の大半は牢に入れ、襲撃時に増援に来た残りの新撰組は兵士舎で様子を見させていると聞いた。


新撰組は赤木の直属部隊にあたる。

本来なら私たちが口を挟むべきではない管轄。


部屋の開いた障子窓から入る湿った風が雨の匂いを連れてくる。


空に重たい雲が薄暗く覆いそう。



「…〝あの子〟を連れ去ったのは、本当に新撰組なのかしら」


窓枠から見える小さな空に問いかけるように、そっと呟く。


少しずつ暗くなる空に一抹の不安を覚える。



「…赤木に今一度確認してきます」


結の顔に向き直ると、思案するような表情で眉間に皺が寄っていた。


スッと廊下に出る彼女を見送ると、また空に向き直った。