城の周辺で隠れながら様子を伺う。


兵士達はいつも通りというように、警備をしているが、数が異様に多い気がする。


やっぱり、城のどこかで刑の執行がなされるようだ。



チラリと肩に乗った黒猫を見る。


猫又は普通の動物ではないけれど、人間の頭脳と同じ回路なのだろうか。

普段は私の顔を見ると、何らかの返事をするけど、今はじっと周りの様子を伺いながら、チラチラと私を見るだけだ。


鳴かないのは状況判断が出来るからか、はたまた空気が読めるだけなのか。


褒めるように頭を撫でると、うっとりするように目を細めた彼女。



そんなことはどうでもいいけど、せめて情報が欲しい。

下級兵士には警護の強化しか言われてないのか、さっきから話を盗み見しているけど、場所の話まではしていない。



「もっと上の奴らが居るとこに行かないと…」


焦る気持ちはある。

ただ簡単に行かせてくれる訳もなく。