拾われた猫。Ⅱ




歌っている最中に総司の体に青白い光が溢れていた。



それは総司の悪くしている所に吸収されていくようだった。



総司の表情はみるみる穏やかになっていった。




歌い終わった時、光は消えて何事も無かったように総司はすやすやと眠っていた。




「…え、これって……?」



平助は総司と私を交互に見る。



「私にも分からない。

でも総司は大丈夫……ゴボッ…!!」




急に喉が苦しくなり、耐えられずに吐き出すと血を吐いてしまった。




身体中がビキビキと痛む。



座っていることすら、ままならなくなって今度は私が倒れ込む。




「雨!!!」



平助の声が聞こえる。



〝自身が欠ける〟。

その言葉の意味は、代償に私に跳ね返るということだったらしい。




「ガッ…ハッ……」

「雨!

雨ってば!!」




尚も血を吹く私の名前を何度も何度も呼んでくれる。