歌っている最中に総司の体に青白い光が溢れていた。
それは総司の悪くしている所に吸収されていくようだった。
総司の表情はみるみる穏やかになっていった。
歌い終わった時、光は消えて何事も無かったように総司はすやすやと眠っていた。
「…え、これって……?」
平助は総司と私を交互に見る。
「私にも分からない。
でも総司は大丈夫……ゴボッ…!!」
急に喉が苦しくなり、耐えられずに吐き出すと血を吐いてしまった。
身体中がビキビキと痛む。
座っていることすら、ままならなくなって今度は私が倒れ込む。
「雨!!!」
平助の声が聞こえる。
〝自身が欠ける〟。
その言葉の意味は、代償に私に跳ね返るということだったらしい。
「ガッ…ハッ……」
「雨!
雨ってば!!」
尚も血を吹く私の名前を何度も何度も呼んでくれる。

