拾われた猫。Ⅱ




変わる体の感覚。



どうすれば総司を助けられるのか、私は知っている。



───いいか、雨。



頭の中に重い声が響く。




───人の生命に触れれば、それなりの代償を要する。

───そしてその代償は〝自身が欠ける〟ことだ。




〝自身が欠ける〟?



彼の言っている意味が分からない。


けれど、私の体に何らかの変化が現れるということだということは分かる。




「…それでも…私は良いんだよ」



ボソリと呟いた私の言葉が耳に入ってしまったのか、平助が「雨?」と呼んだ。


それに応えるようにフッと笑う。




総司の苦しそうな顔を一瞥すると、総司の手をぎゅっと握って目を閉じた。



総司…。




大きく息を吸う。