変わる体の感覚。
どうすれば総司を助けられるのか、私は知っている。
───いいか、雨。
頭の中に重い声が響く。
───人の生命に触れれば、それなりの代償を要する。
───そしてその代償は〝自身が欠ける〟ことだ。
〝自身が欠ける〟?
彼の言っている意味が分からない。
けれど、私の体に何らかの変化が現れるということだということは分かる。
「…それでも…私は良いんだよ」
ボソリと呟いた私の言葉が耳に入ってしまったのか、平助が「雨?」と呼んだ。
それに応えるようにフッと笑う。
総司の苦しそうな顔を一瞥すると、総司の手をぎゅっと握って目を閉じた。
総司…。
大きく息を吸う。

