───雨、お前は神じゃないんだ。
鋭い眼力が私を射抜く。
───生物の命を永らえさせるなど、世の理に反している。
彼が言いたいことは理解できる。
私如きが変えていい運命じゃない。
でも…可能性があるのに何もしないのは嫌だ。
───…言っても聞かないのはよく似ている……。
〝似ている〟?
誰に?
そう問いただしたいし、彼も気づいているはず。
けれど何も言わずに、パチンッという指の音だけが響いた。
その時、咄嗟に目を見開く。
……な、に、これ。
全身が火照る感覚と宙に浮くようなフワフワした感覚になる。
まるで…、体が軽くなったような……。

