拾われた猫。Ⅱ




───雨、お前は神じゃないんだ。



鋭い眼力が私を射抜く。



───生物の命を永らえさせるなど、世の理に反している。



彼が言いたいことは理解できる。


私如きが変えていい運命じゃない。




でも…可能性があるのに何もしないのは嫌だ。




───…言っても聞かないのはよく似ている……。




〝似ている〟?

誰に?


そう問いただしたいし、彼も気づいているはず。



けれど何も言わずに、パチンッという指の音だけが響いた。



その時、咄嗟に目を見開く。




……な、に、これ。



全身が火照る感覚と宙に浮くようなフワフワした感覚になる。


まるで…、体が軽くなったような……。