拾われた猫。Ⅱ




本調子の総司に安心する。



逆におされ気味な平助は、目を鋭くして歯を食いしばっている。



平助はすぐに顔に出るから、駆け引きには向いていない。



クスクスと笑っていると、平助の木刀が真上に飛んでくる。




「危ねぇっ!!!」



平助の声が聞こえた。



肩に乗っていたノアを胸に抱いて、片手でそれを取る。



「どうしたの?」

「……いや…、別に」



何事も無かったように言う私に、苦虫を噛み潰したような顔をした。




首元には総司の木刀がある。




「勝者、総司」

「分かってるって…」




審判として一応言うけど、平助は不服そうに口を尖らせる。



その横で、当たり前だというように笑っている総司。




「にゃぁ〜」



私の腕から這い出したその声は平助を映した。



更に落ち込んで、「ノアまでも…」と呟いていた。