拾われた猫。Ⅱ




目が覚め、朝食を終える。



そこまではいつも通りだったけど、しばらくすると指名された組の人たちは、普段は着ない浅葱色の羽織りを着て、城へと旅立った。



心なしか、平助もつまらなさげに見えた。



トシは何も心配していないかのように、職務をこなしていた。




「……そんな心配そうに俺を見るな」

「トシは私の方を見てないくせに何で分かるの?」

「…………うるせぇ」




ほんの僅か顔を赤らめていたのは気のせいだろうか。



よく考えてみれば、ここには何の情報も入ってきてない。



女王を狙う賊もいないという事だ。




それに左之たちのことだ。


ただでは殺られはしないだろう。




「心配するだけ無駄か…」


ボソリと呟く私を笑う声が聞こえた。




「とか言っても、心配そうだよね。

雨ちゃんがそんなに心配症なのは知らなかった」



部屋に入ってきたのは、いつもと変わらない総司だった。