拾われた猫。Ⅱ




普段なら、あの余裕な顔に苛立ちを覚えていただろう。



でも不確かな確信があった私は、不敵に笑ってみせる。



「私自身が目覚める時だって言ってた。

あれは何?

朝ってことじゃないなら、私の力ってこと?」




琥珀色の彼はフッと悲しそうに笑って、私にまた私に近づいた。



両手で私の頬を包む。



そして何かを喋ろうと口を開いたけど、目を見開いて口を閉じた。



また悲しそうに笑って、私から離れる。




「…まだ時期じゃないらしい。

教えてやりたいが、決まっている。

それに、そろそろ時間だ」




言い逃げるように彼の周りに霧がかかっていく。



こうなれば、私がどう足掻いても捕らえることは出来ない。




「また次回だ」



クスリと笑った声とともに、光が溢れた。