普段なら、あの余裕な顔に苛立ちを覚えていただろう。
でも不確かな確信があった私は、不敵に笑ってみせる。
「私自身が目覚める時だって言ってた。
あれは何?
朝ってことじゃないなら、私の力ってこと?」
琥珀色の彼はフッと悲しそうに笑って、私にまた私に近づいた。
両手で私の頬を包む。
そして何かを喋ろうと口を開いたけど、目を見開いて口を閉じた。
また悲しそうに笑って、私から離れる。
「…まだ時期じゃないらしい。
教えてやりたいが、決まっている。
それに、そろそろ時間だ」
言い逃げるように彼の周りに霧がかかっていく。
こうなれば、私がどう足掻いても捕らえることは出来ない。
「また次回だ」
クスリと笑った声とともに、光が溢れた。

