「胸が痛いのか?」
いつもと同じく余裕な笑みを浮かべていたけど、どこか嬉しさを含んでいた。
ふわりと琥珀色の髪を揺らして私と目線を合わせる。
「…フフッ。
何も言わなくても、お前のことなら分かる」
妖艶の笑みが私の癇に障る。
こんな夢、さっさと覚めればいいとさえ思う。
「〝こんな夢さっさと覚めればいい〟か。
寂しくて死んでしまいそうだ」
「相変わらず趣味悪い。
死にそうならもっと悲しそうな顔しなよ」
軽口を叩く私をクスクスと笑った。
今日は本当に楽しそうだ。
「私に言わせれば、お前は単純で可愛いのだよ」
睨みつけるように眉間に皺を寄せると、彼は笑いながら目を細くした。
「沖田総司もそれに気づいているからこそ、原田左之助のことが好きなのか?と聞くのだろうな」
「……余計意味が分からない」
「もうすぐ分かる」
ポンッと頭に手を置かれ、その手は左右に動く。

