ドアを開けたと同時に、家の中に引きずり込まれた。そして、ゆうとに身を寄せられる。
(距離が……ち…近い……。ドキドキする。)
「待ってたよ! ちづるちゃん! 今度はつかさの事ちゃんと話そう♪」真っ赤になった私の顔を見て、気が付いたのか、「おっと、ごめんね。」と言い、私を離した。
「林檎切るから、また座ってて」


私はしばらく唖然した。これが恋なのか、好きなるのは、ドキドキすることなのか。 


友達が言ってたが、自分で好きになったって思うのは、自分では難しいらしい。

私は悩んでいたが、とりあえず席に着いた。
「はい!おまかせ、林檎ダヨー。」
「あ…ありがとう。」私はぎこちない。もしや、本当に好きになったのかもしれない……。

「ちづるちゃん!突然なんだけどさ、好きな人っていたりする?」
ほ…本当に突然ですね…。って言いたいけど、今好きな人のことで悩んでいるのに対して、答えようがない。ゆうとは今、私の気になる人だから。
「わ…わかんない。気になっている人はいるの。けど、好きなのかは、わかんない。」
本当のことを話して少しすっきりした。
「ふ~ん。まぁ、いいや。」
ゆうとから聞いてきたのに、なんだかとても不機嫌だ。
「何か悪い事言った?…かな?」
………………
「・・・別に。いいよ。つかさの事で戻ってきたんでしょ?」