私は幸運にも幼少期に適正反応が出たため、大人の世界の歪な不条理などに文句を垂れる余裕などなかったのだが。




話を戻そう。




「魔法少女を掻き集めて人海戦術でもするつもりですかね?」



「だから、詳しい事は私も知りませんって。
あ、言い忘れていましたが、私も移動ですよ。
寧ろこっちが問い詰めたいくらいなのです。」


全く、あのクソ上司め…とブツブツ呟く彼女を見遣る。
あ、そういえば名前知らないな。



「ねぇ、私貴女の名前知らない…」


「んぁ…望葉澪と申します。
一応、支部の副管理官になります。」


浮世離れした金髪に翡翠色の目をした彼女はどう見てもそこら辺の不良っぽいが…


「えと…よろしくお願いします」


若干不良じみた雰囲気に呑まれて深く頭を下げてしまったのだった。