「どうぞ…粗茶ですが」
「粗茶どころか珈琲じゃないですか」
好きなので良いですけど、と案外美味しそうに飲む彼女の向かい側に座って頬杖をつく。
「んで、結局支部が私になんの用ですか?」
「えーっと、単刀直入に言いますが、紫晏さんには担当区域を移ってもらいます。」
思わず口に持って行ったコーヒーカップを空中でストップさせる。
「は…?冗談ですよね?」
「やー、これが冗談じゃなくてねですね」
これみて、と薄っぺらい紙を突きつけられる。
『奈月 紫晏様へ』
と書かれたその紙は確かに“魔法少女覚醒委員会”からのモノだった。



