はっはっ、と浅い息を繰り返しながら

助けを乞うように片手を伸ばす。


涙と、そして流れていく血のせいで視界が霞む。

もう自分の手の形さえわからない。


(最期に…)


逢いたい人が居た筈なんだ。

大好きな、あの人。



…?



(あ…れ…?)


誰…だっけ

笑顔が可愛くて、からかうと照れたように笑って

『アイシテル』

って囁いてくれたあの子