ピーンポーン


玄関の呼び鈴が鳴る。


いけないっ。自分の姿にへこんでる場合じゃなかった‼


慌てて鞄を持ち、玄関へ向かう。


「お母さん、いってきまーす」


母に挨拶をし、靴を履いて玄関を開ける。


「おはよう、結奈」


「おはよう」


結奈は中学の時から仲の良い友達。
同じ高校を受け、一緒に進学した。
私が唯一、何でも話せる存在。
家が近いから、毎日結奈と通学している。


通学路を歩きながら、


「今日から二年生だね!」


「そうだね……憂鬱だよ……結奈と同じクラスに、なれなかったらどうしよう」


「こればっかりはね……」


この外見のせいもあって、私は、極度の人見知りなのだ。
人と目線を合わせること、話すことも苦手。
要するに、親い人にしか心を開けない。
二年生に進級する今日が、ずっと来なければ良いと思っていたくらい。


「はあーー」


深い溜め息を吐く。


「こら、葉瑠!
溜め息吐くと、幸せが逃げるって言うで
しょ!?溜め息吐いちゃダメ‼」


「……分かってるけど……」


これからの二年間が、今日で左右される。


どうか、
結奈と同じクラスにでありますように‼


切に願いながら、学校へ向かう。