もう楽器は鳴っていない。


メンバーたちが互いに合図を送ってるよう。




始まる





ライトがステージに照らされた。


音楽も鳴り始めた。



しっとりとしたギターに

ベースギターとドラムが入って来た。


目を瞑るとボーカルが歌い始めた。


ああ、この声だよ。この声を聴いたら、どうしてこんなじれったいような、心あったかくなるような気持ちになれるんだろう。


どうしてもこんなに魅了されてしまうんだろう。



目を開けるとボーカルと一瞬目が合ったような気がした。


ちゃんと見てみると、気がしただけみたい。




私のことを見てるわけないか