「では、では!いよいよ次のバンド After tasteのご登場です!どうぞ!」
みんなの黄色い声と一緒に楽器を持った4人が出て来た。
ベースを持ってて、髪がアゴくらいまで長くて、、、と探す間も無く私の探し人がステージに出て来た。
マイクの前に立つけど特別何も言わない。
ただただ楽器を鳴らしては、エフェクトのペダルを踏んでいる。
ベースギターを持っているだけでこんなにも様になる人、他にいるのだろうか?
周りを見渡したら、スマホをいじったり、ただしゃべっているだけだったりで私のように熱心に見ている人は少ない。
みんなにも見て欲しいような、でも私だけが見たいような微妙な気持ちのままステージにまた目を向けた。