十人十色、十人恋色。

「よろしく」

たった今、あたしの隣の席になったレン君が言った。

「よ、よろしく」

授業が再開される一方で、あたしはレン君にずっと思っていた質問をぶつける。

「あ、あのさ、レン君」

「ん?」

サラリと清潔そうな黒髪を揺らしてレン君がこちらを向く。

「さっき…、なんで、あんな嘘ついたの?」

「嘘って、なにが?」

含み笑いと言えるような笑いかたをする。

それはまるで誤魔化そうとしているようで。

「目が悪いって……あれ本当は違う、よね?」

あたしはストレートに聞いた。

だって、最近、レン君が友達に言っているのをたまたま聞いたから。

「俺、生まれてから1回も視力が落ちたことないんだよね」と。

そんなレン君がいきなり、黒板が見えなくなるくらい目が悪くなるはすがない…。

あたしは、本当のことを知りたくて、じっとレン君を見つめた。

別の理由があるならちゃんと言ってほしかった。


だって、変な浮わついた期待は……持ちたくなかったから。

淡い期待でも、思わせぶりなコトなんて、しないで……


余計辛くなるから……