「陽莉!!陽莉!待って!」


走ってた足を止めた。

追いかけてきてくれたのは直也くんだった。


「ごめんね、直也くん」

「陽莉は遼のことが好きなの?」


私はその質問に固まった。

好きなんてもう言っちゃいけない。

人のものなんだから。


「俺にすれば?」

「え?」

「遼の事好きな陽莉でいいよ。
だから俺にすればいいじゃん。」


直也くんは返事は今度でいいよと言いながら頭を撫でてくれた。

そして泣き止むまで黙ってそばにいてくれた。