「陽莉ー!」


朝から大きな声で教室に入って来たのは顔を見なくてもわかる。
那歩ちゃんだった。


「朝からどうしたの、那歩ちゃん」

「どうしたのじゃないよ!!
遼くん!彼女出来たの!?後輩の!」


あ、そうゆうことか。なんか驚きもしなかった。
と言うより納得した。私がもたもたしている間に取られたんだ。

ううん、違う。
遼くんは私に気があったわけじゃないんだ。
体育祭の時、優しくしてもらって少し仲良くなったからって、ほっとけないって言われたからって、脈ありかも、なんて浮かれて、バカみたい。