スタートラインはうさぎさんが書いてくれました。

どうやら、うさぎさんはかめさんより少し後ろからスタートをするようです。

「位置について…よーい、ドン!」

うさぎさんの合図によりスタートした競走。

かめさんの予想通り、うさぎさんが早々にかめさんを抜かしていきました。

そしてこのままうさぎさんが勝つのだろうと、かめさんは諦めていました。

しかし、うさぎさんはかめさんの方を振り返りながら走るのです。

その様子にかめさんは気づくはずもありません。

「2周目だオラァ!!」

大きな声でそう告げたうさぎさんに、かめさんは負けを確信しました。

しかし、歩みを止めようとはしません。

うさぎさんがゴールした後、自分のせいで待たせる事が嫌だったのです。