「兄さん、何を考えているんだい?」

「うっせ!お前は口出すな!!」

理由も言わない兄への不信感でいっぱいになった弟は、

「僕、にんじん畑に行ってくる。

兄さんには付き合ってらんないよ。」

そう言って、どこか…いえ、にんじん畑に言ってしまったのでした。

2人きり(?)になってお互い気まずい様で、

目を合わせようともしません。

いつまでもこのままじゃいけない、と思い、

兄うさぎは、こう言いました。

「あそこに見える木の周りを回って、どっちが先に戻ってこられるか競走しよう。

まあお前遅ぇし、ハンデとして俺は2周する。

負けた方は勝った方の言う事を聞く。

異論はねえか?あっても聞かねえけどな。」

かめさんは、じゃあ何で1度聞いたんだろうと疑問に思いましたが

余計な事は言わないようにしようと思い、質問はしませんでした。

負けたらうさぎさんに何をされるのか、考えただけで怖くて仕方ありませんでした。