「…待て。かめ、どうせ暇だろ?

俺と、競走しねえか?」

「「…え?」」

これに驚いたのはかめさんだけではありません。

うさぎ弟もです。

まさかそんな事を兄が提案しようとは夢にも思っていませんでしたから。

競走などしなくともうさぎが速くてかめが遅いのはわかりきっていること。

だからこそ、弟は兄の発言が不思議でたまらなかったのです。