私はプイッと窓の外に視線を向けた。


コトン。


テーブルの上に物が置かれた音に視線を向ければ、私の携帯が置いてあった。



「悪い。けど、俺と一緒にいるのに他の男と携帯するな。」


「………すみませんでした。」



テーブルに置かれた携帯を受け取り、カバンの中にしまった。



「っで金曜は無理って話は?」



健人さんの少し低い声に、目の前に座る健人さんを見上げた。



「同期と飲み会です。遅くなるから無理です。」


「………飲み会ね。」


「一つ聞いてもいいですか?」


「何だ?」



私を見つめる健人さんを見つめ返す。



「本当に付き合うんですか?」


「………今更だろ。俺は付き合ってるつもりだが。」


「冗談じゃなく?」


「冗談じゃない。」


「私と付き合ってもメリットないですよ?」


「…………そんなんで女は選ばない。」


「釣り合わないですよ?」


「それも聞いた。花菜は頷いたよな?それで決まりだ。」