社長の甘い罠~いつしか当たり前に~ + 番外編

「奥寺くんだっけ?」


「はい。長嶺の同期です。」


「同期ね。仲が良さそうだね。」


「長嶺とですか?毎日、一緒にランチを食べてますから。」



奥寺のスマイルに社長から舌打ちが聞こえた。


私と奥寺は社長をじっと見つめれば、何もなかったかのように社長が煙草を咥えている。



「…………社長?」


「何か?」



奥寺の疑問は最もだ。


今、社長から舌打ちが聞こえた気がした。



「長嶺、帰るぞ。」



煙草を吸い終えた社長が堂々と話し掛けてくる。


奥寺を見れば、私と社長を交互に見ている。



「長嶺、社長と帰るのか?」


「あっ、うん。この前の親睦会で家の方向が同じだったの。」


「仲良くなったのか?」


「仲良くって言うか……。」


「長嶺、遅くなる。」


「ごめん、奥寺。またね。」



私は社長の後に続いて喫煙所から出ていく。


奥寺の突き刺さるような視線に心臓がバクバクと鳴っている。