「………な、花菜、花菜。」



聞こえてきた声に目が覚めていく。



「花菜、シャワー浴びないのか?」


「ん~、浴びる。」


「用意して。会社に遅れる。」


「あっ、うん。」



慌てて起き上がり用意を始める。


ん?



クローゼットに掛けてある服を見て首を傾げる。



この服………家に置いてた?



家に置いてあった会社に来ていく服が数着あるような?



「昨日、花菜が先に寝たから、俺が取りに行ってきた。」


「えっ?」


「必要だろ?今日から一緒に暮らすのに。」


「今日から………?」


「昨日、頷いただろ。ほら用意して。車で一緒に行くから。」


「一緒に?」



目を丸くする事ばかりを言う健人さんをマジマジと見つめる。



「婚約したし問題もない。俺たち結婚するんだろ?」


「………うん。」



すっかり健人さんのペースに巻き込まれていく。