じっと見つめてくる健人さんを見つめ返す。



「俺は思ってた以上に独占欲が強いみたいだ。」


「…………。」


「合コンも駄目だ。朝まで男と遊ぶのも駄目だ。」



「同期だよ?二人じゃないよ?」


「もし俺が朝帰りしたら?それも飲み会で。」



言葉に詰まる。嫌だと思う自分がいるからだ。



「嫌じゃないのか?」


「…………嫌。」


「俺の気持ちが分かったか?朝まで寝れず、帰ってくるなり『帰る?』って言われたんだ。」


「………ごめん。」



目を伏せれば、唇がそっと重なり離れていく。伏せていた目を健人さんへと向ける。



「今度、指輪を買いに行こう。」


「えっ?」


「婚約指輪。ちゃんと俺のモノだって、周りに分からせる必要があるから。」


「分からせるって………誰も……。」


「また奥寺に………目の前で拐われるのは見たくない。」


「あっ…………。」



あの日の事を思い出す。奥寺が健人さんの前で私を連れて行った日を――――。