私の唇に重なるキスに目を閉じる。



「俺の中では未来は見えてる。」


「………。」


「一緒にいるのは花菜だけ。」


「健人さん………。」


「一生だ。忘れるなって伝えただろ?」



もう一度重なる唇に健人さんの首に腕を回した。私を抱き締める力強い腕に安心する。



「だから花菜を紹介する。」


「………やっぱり………。」


「不安なんだろ?だったら紹介する。」


「いや、でも………。」


「もう遅い。起きて準備するよ。」



健人さんがベッドから起き上がる姿を目で追う。



「花菜、不安にはさせないから。それと………二度と朝帰りは許さない。」


「わかった。」


「起きて。」


「うん。」



私もベッドから起き上がり、出掛ける準備を始めた。



本当に紹介されるのだろうか………。



不安になる気持ちを察したのか、健人さんが抱き締めてくれる。



「大丈夫。親父達も鬼じゃない。」