集中して山のような仕事を黙々と進めていれば、すっかり夜も遅くなっていた。



『終わった?』



携帯に入るメッセージに私は返信する。



『後少し。30分後にエレベーターで。』


『わかった。』



慣れてきた二人の帰るコール。



3ヶ月か………。


ってか、まだ3ヶ月なんだ…………。



元カレとは3年は付き合った。社長とは3ヶ月しか経ってない。


だけど随分と一緒にいる感じだ。



トントン………。



肩を叩かれて思いっきり後ろを振り返る。立っていた社長に目を大きく見開いた。



「社長?」


「隣で待ってる。もうすぐだろ?考え込んでたみたいだが大丈夫か?」


「えっ?あっ、はい。ってか、目立ちます。」


「別に今更だろ。ほら、仕事を終わらせろ。」



隣の清水さんは既に帰宅している。その席に社長が腰掛けて資料を読んでいる。


私は自分の作業を終わらせる事に集中する為、考え事を封印した。