話しかけてくる女子に適当に返事してたら、
「セーーーーフっっ!!!」
って言いながら、クラスに2人の女子が入ってきた。
「ホームルームに間に合ったーっ!
ちよ、麗疲れすぎでしょ!!(笑)
そんなに走ってないじゃん!!(笑)」
「それは綾がテニス部だからでしょ…。
もう無理。力尽きた…。」
といって俺の横の席に座ったやつの顔をみたとたん、
俺は心臓が止まるかと思った。
それは
あいつだった。
スポーツ大会のとき、観客席に1人でいて、
退屈そうに、ぼーっと体育館を見てた、
俺が気になって、気になって、どうしようもなかったやつ。
(まじかよ、おんなじクラス…?)
あまりにも、びっくりして、その後のホームルームの内容は、まったく頭に入らなかった。
その日の学校が終わり、大翔が俺に部活行こうって言ってきたけど、
俺は大翔に
「先行ってて」
と言い、教室に残った。
教室名簿を見てわかった。
麗と呼ばれたコの本名は、緒方麗。
俺が知りたくて探し続けてた名前だった。
すると、
俺以外誰もいないはずの教室の中、
机のガシャンって音がした。
ふいに名簿から顔をあげると、そこには……
