時刻は17時50分。
私は日向駅に到着。
【日向駅に着いたよ。改札口にいます】
私が送ったメッセージの既読はすぐについて、
【改札の前にあるエスカレーターで下まで降りて来て】
と送られて来た。
エスカレーターに乗って降りていくと、
自転車にまたがった櫻井くんがいた。
初めて見る私服姿で、とっても新鮮で、とってもカッコよかった。
さすがバスケ王子こと、学年ナンバーワンのイケメンかも。
「ごめん!!待った??」
「いや今来たとこ。というよりここ俺の地元だし。」
「え!?」
「あれ、言ってなかったっけ(笑)」
「うん初耳。そうなんだ!」
(櫻井くんの地元なんだ… 地元に連れて来てくれるってなんだか嬉しいかも…)
「今からどこいくの??」
「連れて行きたいところがあって、自転車の後ろにまたがってくれる??」
「え、私、結構重いよ、??」
「余裕だから(笑)ほらはやく乗って」
「う、うん」
乗ったはいいものの、どこに掴まればいいのか迷っていると、
「俺の腰につかまって」
って。
(いやいや、待って。うそでしょ…!? 櫻井くんの…っ? いやでも、変に意識してるって思われたらやだし)
「わ、分かった。ありがと。じゃあ、し、失礼します」
「失礼しますって何(笑) じゃあ行くよ」
軽快に走る自転車。
つかまった櫻井くんの背中は、思いのほか大きくて、男子なんだなあと実感してる間に、
目的地に到着した。
