《櫻井亮 Side》
「で??」
「はい?」
(いや、いきなり朝から、で??って聞かれても、いくら親友の大翔でもわからないでしょ…)
「で??」
もう一度、で??とくる大翔。
「だから、何。」
「例の美少女に留学を伝える件はどうなったの?ちゃんと言った?」
「ちゃんと大翔に言えって言われたその日にLINEの電話で言いました。
てか、美少女って言うなよ。」
「お〜〜えらいえらい!
で?美少女、じゃなくて、麗ちゃんは何て??もしかして泣かれたりした?」
「混乱はしてたし、すぐには無理かもしれないけれど、彼女なりに受け入れてくれると思う。
というか、ずっと前から気になってたんだけど、下の名前で呼ぶのもやめてくれよ。本人と直接話したこともないくせに。」
(それに、俺もまだ下の名前で呼んでないし)
「そっか!良かったじゃん!
え〜〜 麗ちゃんは麗ちゃんだよ。
彼氏でもないのに、彼氏面?亮は友達なんでしょ??麗ちゃんと。」
何にも言えないのがとてつもなく悔しい。
「…… 俺、明日緒方と2人でデート行くから」
「…えええー!!!!!!!!
ついに!!やったじゃん!
で?いつ?どこで?何するの??ね!??」
(お前声デカすぎ… ただでさえ、ツートップってだけで目立つのに注目させんなよ。それに話題が話題だろ……)
「お前、声落とせよ…
それに、別にお前には言わない。」
「なんでーーーー!!
亮のけち〜〜。教えろよ〜〜。」
「はい、今日は終わりーー」
無理やり話題を切り上げる俺。
「え?なにまだ1時間目始まってないけど」
「終わりは終わり。早く席に戻れ。」
「冷たいなぁ亮は。」
「冷たくて結構です。」
(別に大翔にだったら言ってもいいんだけど…周りの女子の目線が気になるんだよな……)