時刻は11時。
そしてちょうどに、櫻井くんから電話がきた。
「は、はい!もしもし!」
「もしもし。」
「ど、どうしたの?電話って」
「いや、いつも通り、したくなったからした。」
「そっか!話題そんなになくて。。何話そう。(笑)」
「いや、今日は俺の話題聞いてもらっていい?」
「うん!」
(え!なんだろ…!)
「・・・・・えっと・・・」
「さ、櫻井くん…?」
「あのさ。落ち着いて聞いて欲しいんだけど。。」
「う、うん…」
(え…… 何…)
「俺、一年間アメリカに留学することにした。」
…………えっ?……………………
「……どうゆうこと?」
「新しい世界をこの目で見に行くために、8月から留学することにした。」
「そうなんだ。
って、……え!?
ほんとうに……????」
「うん、いきなりでごめんね。」
「・・・・・」
「緒方?」
一瞬頭の中は真っ白になって、
櫻井くんの言っている言葉がよくわかんなかったけど、、
少しずつ、頭が働くようになって
状況が分かるようになっていく。
そうか留学だよ。櫻井くんは留学に行くんだ。
「…緒方??」
「は、はい…?」
「だ大丈夫??」
「あ!いや、そっか、そうなんだ!そうなんだね。留学かぁ!すごいなぁ。私絶対できないよ!さすがだね!8月かあ。もう少しだね!あと3ヶ月か!頑張って!!!」
私、隠せてるよね。
上手く隠せてるよね。
まだ受け入れられないなんて、
行ってほしくないなんて、
そんなこと言える立場じゃない。
分かってる。
彼女じゃないし。
ましてや彼女だったら、もっと櫻井くんのした決断は応援しなきゃならないんだ。
「ごめん」
「ま、まって。なんで櫻井くんが謝るの?(笑)
全然私のことなんて気にしないで!私、友達として櫻井くんのこと応援するから!」
(そう、私はただの友達)
「あ、ああ。うん。ありがとう。
まださ、3ヶ月あるからさ、2人で一回は遊ばない?」
「う、うん!遊びたい!」
「どこか行きたいところとかある?」
「あのえっと」
「ん?」
「私、プラネタリウムに、行きたい」
「プラネタリウム??あ、そっか星好きなんだよね?前に電話した時に話してくれた」
「うん!星見たいなあ私」
「プラネタリウムか……」
「もしかして、嫌…?」
「いや、俺さ、もっといい案あるんだけど、そっちでもいい?」
「え!?ほんとに?すっごい楽しみ!!」
「ありがとう!じゃあいつ空いてる?」
「うーん。塾があって、日曜日ならいつでもいけると思うんだけど。」
「あーそっか緒方予備校通いだよな。じゃあ再来週の日曜日行ける?」
「ちょっとまってね………
行ける!!!」
「おけ、じゃあそれで決まり。じゃあ集合時間とかはまた前の日に連絡するわ!」
「ありがとうっ じゃあ、そろそろ、おやすみ!」
「ん。おやすみ」
プツっ。
櫻井くん、留学か…………
『留学』という文字が頭から離れない。
正直、ちょっと残念
というか
かなり受け入れるのに大変かも
アメリカなんて、会える距離じゃない。
平然と電話で話せたよね?私。
留学を受け入れられないめんどくさい女子とか思われたらやだもんなぁ…。
でも、留学までまだ3ヶ月あるし、今は色々考えるより、約束したデート??(って言っていいのかな…!?)のことを考えよう。
やばいよ2人きりで外で会うなんて。
櫻井くんの、“いい案”ってなんだろう……??
