《緒方麗 Side》
「で?今日は櫻井くんに話しかけれた?」
最近、学校が終わったら、絶対綾からくるこの質問。
「ん、まだ……」
「がんばれ!麗!
絶対行けるから、明日こそ、ね? 私はいつでも麗の味方だから。」
「う、うん…!ありがとう。あしたこそ頑張る。」
「うん!じゃあね!バイバイ!」
(頑張るって言ったけど…
う、やっぱり、櫻井くんのこと、狙ってる女子いっぱいだし、その中で私が話しかけにいくなんて…… 頑張りたいけど勇気ないよ…)
想いに気づいてでも、まだ弱気な私。
櫻井くんのことを応援してくれるあやは放課後、テニス部へ。
私は、帰って勉強。
帰り道、LINEの通知音が鳴った。
【緒方?今日の夜、電話できる?】
(櫻井くんからだ…!)
【うん!できるよ!】
送ったメッセージはすぐ既読されて、返信が来た。
【ありがと じゃあ11時でいい?】
【了解です】
(やった…!また、電話できる…!)