「え、何」
“だけ” って言ったからか、妙に緊張している大翔。
「いや、あのさ、そんなに緊張せずに聞いて欲しいんだけど。」
「はい。」
「緊張してるでしょ。」
「いいえ。」
「あらそう。」
「・・・・・で!? なんだよ亮!早く言えよ。」
「あーえっと、俺、
一年間、留学しようと思います。 」
「え……っ?
ちょ…それどういう意味だよ………」
「そのままだけど。俺、アメリカに一年間留学する。もう留学する為の試験も受かったし。」
「ま、…まてよ。俺になんの相談もなく??」
「ごめん。
留学のための試験落ちて、やっぱり行けませんでしたってなるのは格好悪くて、それは嫌だったし、たぶん大翔に止められてても行ったと思うし。」
「そっか……。
そんなに決心固いなら仕方ないとしか言いようがないけど、何の為に?」
「俺さ、留学して、今までずっといた世界と違う世界を見てみたい。
大学になってからじゃだめなのかって言われるけど、大学に入る前に新しい世界に触れたいんだ。」
「亮… お前がしっかり将来を考えてたなんて…
もうお兄ちゃん泣けてくるよ(泣)
って、うそだけど、
まぁ俺はいつまでと亮の味方だからさ。
正直、亮がいなくなったらバスケのチームには大打撃だけど、まだ俺というバスケのスターがいるわけだし?気にしないで留学行ってこいよ。」
やっぱ、大翔はいいやつだよな。
こいつを親友に選んで良かったし、
それからずっとこいつが俺の親友でいてくれて良かった。
「ありがとう。」