《櫻井亮 Side》


電話をしてから、緒方の存在がもっと身近になって、もっと緒方のこと知りたいって思うようになってきた。

しかも最近、緒方は前髪を切ってさらにもっと可愛くなってる。



(ああ、俺ってどんだけ緒方に惚れてるんだよ)



席替えして、緒方とは遠くなったけど、斜め前の方を見ると、ちょうど見れる位置にいる。


熱心に授業を聞いてる姿と、電話の天然な時のギャップ。


(観察してるだけであきねえ……)





「りょ〜〜〜〜〜うっ!!」


「うわっ 何だよ大翔」



「そっちこそ、何をずーっと見てんの〜〜? もしかして、隠れ美少女 緒方麗??」


「は、はぁ?? ん、んなわけ…っ

てか 隠れ美少女ってなに。」



「図星かよ亮。」



「別にそんなんじゃねえよ…」



「あのさ、親友の我が大翔に隠せると思ってんの〜??」



「・・・・・・・」



「バレたら、無視かよー。
知ってるのか知らないけれど、緒方麗ちゃんは隠れ美少女だって、男子の中で密かに話題になってるんだよ?」


「なんだよそれ」



「最近、前髪切ってメイクもして、一気に可愛くなったって。なんで今まで気づかなかったんだろって後悔してる男子もいるみたいだし。」



(イメチェンしたのは気づいてたけど、する前から可愛かったし…

たしかに、前髪を横に流して、半分の目は隠れてたせいか、可愛さに気づいてない人が多数みたいだったけど、、、)



「あっそ。」



「あれ?亮?もしかして、ショック受けてる?? 可愛さに気づかれて敵増えた、とか?(笑)」


「別に受けてないし。
それに敵増えても俺は別に負けないし。」


「はいはい。相変わらず、冷めてる恥ずかしがり屋ですね〜。
てかそれ、麗ちゃんのこと好きって認めてるようなもんだよ。」


「・・・・・・・」


「はい出た、図星のときの無視。好きなら直接話しかけたらいいのに。
まぁ仕方ないか。亮が頻繁に学校で話しかけたら、それだけで話題になるし、麗ちゃんはたぶん女子に目つけられるよね。」




知ってる。

バスケ王子だって群がってくる女子のめんどくさと身勝手は十分知ってる。


緒方が目をつけられるのが怖くて、直接話しかけられずにいる。



「分かってることいわなくていいから。

それよりさ、俺、大翔だけに言いたいことあるんだけど。」