《緒方麗 Side》



はぁ。

私、櫻井くんに緊張しすぎてた。


下から顔覗かれただけで、体熱くなっちゃって……。



なんでだろ。



テンパり具合が異常。


櫻井くん見ると、胸が痛いくて、まともに見れない。



と、憂鬱な気持ちで登校していると……




どんっ!!!


誰かにぶつかられた。



ん?誰?

と振り向くと……



綾!??



「ちょっ!!!! 麗!!!!どうゆうことよ〜〜!!!!!!」





「わっ!!!! 綾!!お、おはよ…!

ってか何…!??
朝からそんな大声出さないでよ。」




「何?? っじゃないわよ!!
麗っていつから櫻井くんとそういう関係になったの!???学校中の女子、その話でもちきりだよ??(笑)そういうことなら、私に早く言ってよねっ!(笑)

私はあくまでファンなだけで?
櫻井くんのこと好きとか付き合いたいとかそういうのじゃないんだから。
いやでも、他の女子は、そういうわけでもないみたいだけど。」





「そ、そういう関係!??(驚)
私、櫻井くんと何の関係もないって…!!
ってかなんでそんなに噂になってるの…!?? 」



「麗!?? 櫻井くんのこともう忘れてるの??
あのバスケ王子よ! 学園のお、う、じ!!
学校一のイケメンでバスケ部のエース!!!」



「……そ、そういえば、何か聞いたことのある名前だなあとは思ってた、けど、
スポーツ大会の時、顔もそんな見てなかったし……」


「男子に興味ないにも程があるって……
で? クラスの女子によると?昨日麗が櫻井くんに話しかけられてたって。」



「話したのはしたけど…
そ、そんな、みんなが思ってるような感じじゃないよ?たぶん。」



「でも麗、あの櫻井くんが、女子に積極的に話しかけるなんて前代未聞なんだよ!??」



「せ、積極的になんて!大げさだよ…っ
LINEなら、昨日、学校終わったらすぐきたけど……
で、でもそんなんじゃっ…!」



「ら、ライン!???櫻井君からラインが来たの!??ほんとに!???
で、なんてなんて??? なんて来たの??」



「嫌われてるのかなって思ってて、そうじゃにったから安心した。ってきたよ。」



「ど、どうゆうこと?? 嫌われてる??」



「なんかね、昨日学校で聞かれたの。
何でそんなに俺のこと無視すんの? 俺なんかした?って
でもね、私は櫻井くんのこと嫌ってるわけじゃなくて…。

始業式の日、教室で帰る支度してたら、
櫻井くんがなんでか分からないけどそこにいて。話しかけられたの。
その時、櫻井くんのこと初めて知って、はじめて近くで顔を見た。

その日から、
櫻井くんのこと考えたり、見つめたりしたら胸が痛くなって、変な感じになっちゃうから、無視してただけで…

だから、櫻井くんに勘違いさせたっていうことで…。」



頑張って説明して、綾の方を見ると、
綾がなんだか、意味ありげな顔をしてた。


「な、なに!?」


「そっかあー ふーん…(笑)そういうことか。」




………なんか綾がにやけてる!?






「な、なに笑ってんの綾。」





「私、分かった!何で麗なのかは分からないけど…。まぁ…隠れ可愛い女子だし。
それに櫻井くんが気づいちゃったってわけ、か。で、麗も…、ね?」



何やら一人で呟いている綾。



「あ、あや? な、なにが分かったの…?」




「まぁまぁまぁまぁ。奥さん!それは、私が言っても意味ないから!麗が自分で見つけることね。

自分で見つけないとダメなことだから。
んじゃ!私、宿題してないから先行くわっ!」





「えっ!?? ちょ!!! 何よ見つけることって…!」





…もう…。意味わかんない…。



自分で見つけることって何なの…?


はぁぁ。わけわからなすぎる……





ピロンっ



ん?LINE??




相手の名前は櫻井亮。





【おはよ。今日さ、夜暇?】




ん?夜? なんだろ。



とりあえず、既読をつけて返信した。



【おはようございます。はい暇です。】








昨日のLINEから櫻井くんとは何件かLINEが続いてるけど、



LINEをしてて分かった。



LINEって、会って話すわけではないから、落ち着いて櫻井くんとも話せる。




それが嬉しいの。ものすっごく。




でもなんで……?