「そこ右」

「ってかよ、お前軽すぎね?」

「一昨日から動けてなかったんだよ
ご飯も食べれてない」

「そんなにヒドイのか」

「だから今世紀最大って言ったじゃん」

「そりゃ今世紀最大だな。」

ただの風邪の話なのに規模がデカイ。

「ここ」

「はいはい。」

部屋に入ると意外と片付いてた

「うわ、完全に意外とか思っただろ」

「うん」

「ひど。」

「ごめんって
何か買ってくるぞ?」

「飯が食べてーぞー」

なんだその口調は。

「ご飯ものがいいのか?」

「うん。温かいのがいい」

「わかった」

「お金、テーブルの財布に入ってる」

「いいよ。これくらい奢るって」

「先生に貸し作ると怖い」

「お前の中の俺はどんなやつなんだよ」

「あの時、奢ってやったよな?
って脅されそう」

「ひでぇ。
つか、俺の方がお前に貸しあるからな。
気にすんなよ」

「身に覚えがない」

「体調治ったらちゃんと話すから」

「はいはい」

「鍵どこだ?」

「玄関の鍵フックの一番右」

「借りるぞ?」

「盗まないでね」

「誰が盗むんだよバカ。」

「先生ならやりかねない」

「お前の中の俺、印象最悪だな
体調悪いんだろ?寝てろ」

「寝る寝る」