「おねえさんのおうちは広いんだね」

ぼくは大きなだんろとテーブルを前にして言った。

「さぁ、お食べ。」

そう言って、あつあつのグラタンを運んできてくれた。

「ありがとう!」

ぼくが食べている間おねえさんはじっとぼくを見ていた。

「おいしかった!ほんとうにありがとう!」

そういうとおねえさんはぼくにほほえんで色々なしつもんをした。

名前は?
どこから来たの?
何日かけてきたの?
親は?

とかたくさんしつもんをされた。
そして、おねえさんの名前はローズというらしい。

しつもんにたくさん答えたら、おねえさんはさみしそうな顔をした。

「そっか、それは大変だったわね」
「たいへんじゃないよ!ぼくはぜったいおとうさんと帰れるって信じてるから!」

その時、急にぬくもりを感じた。
あったかい。

「おねえ...さん?」

「ごめんね…」

「なんであやまるの?...なんで泣いてるの?」

「私のせいで...」

「え?」

「ああ、あの人によく似てるわ。」

「あの人...?」

「あなたのお父さんよ」

「ぼくのおとうさんを知ってるの...!?」