「うん……。

 けど、
 話を聞いてもらえただけで
 今はスッキリ――っ…!」

そう言って微笑む彼女を
俺はとっさに抱き締めた。



『―――ごめん…』

突き放されるかと思ったけど
彼女はそうしなかった。


「健ちゃんが
 謝ることじゃないよ。」

『俺……
 お前いつも笑ってるから
 悩んでるなんて
 ちっとも知らなかったし、
 気付けなかった…。

 部員もマネも
 仲間は仲間なんだよ…』


「うん…そうだよね。
 そう言われると嬉しい。」