君が嫌い

ツキデレもたまに失敗することがあるらしい。
所構わず使用するのはやめておこう。


そのまま玄関付近まで歩き進めた時に事件は起きた。


『なんで君が……。』


玄関先に見知った女性が立っていた。
その顔を見た瞬間、穏やかだった心から一転後ろめたい感情が湧き上がる。


あのまどかと名乗っていた風俗嬢が立っていた。


俺を見つけた瞬間、まどかが駆け寄って来た。


『あ、あの……勝也……。』


俺がなかなか前に進まないことを疑問に感じた姉ちゃんが目の前で起こっている現場を見て驚いている様子。


何故人の名前を呼び捨てにしているのか。
何故俺の住所を知っているのか。
何故このタイミングで会おうとしてきたのか。


なんてそんな事今はどうでもいい。


今日俺は確実にこの人に狩られるんだから。


お金を。