君が嫌い

家が目と鼻の先までもう目前になった時姉ちゃんに声をかける。


『姉ちゃんそろそろ家に着くから離れてくれない?』


『えーーもうこのまま行こうよー。』


くっ、やはり無駄だったか。


たわわに実ったお胸さんをこれ見よがしに腕に押し付けてくる。


ちくしょう、どこのキャバ嬢だあんたは。
だけど俺もそんな簡単に折れるような男じゃない。


『姉ちゃんが離してくれないなら俺、姉ちゃ……』


『も、ももももう離したからね!』


は、早い!
まさか最後まで言わずして俺の表情で判断するなんて、流石だ。


『ありがとう、結衣姉ちゃん。大好き!』


『…………プシュー。』


完全に思考停止してしまった姉ちゃんはただ呆然と立ち尽くしたままで、結局手を引いて家に向かうこととなった。