君が嫌い

しかしこのままではただ恐怖心を与えるだけで余計付きまとう事態にもなりかねない。


だからこの後に必ずある言葉を付け足すようにしている。


『嘘だよ。姉ちゃんの事好きだからそんな事するわけないじゃん!』


デレる。


突き放したあとは必ずデレる。
俺はこれをツキデレと呼んでいる。


これを編み出してから10年以上経つけど未だに効果がある。


『ズキューーーーーーーーーーーーーン!!!!』


どうやら今日も猛獣を大人しくさせることが出来たみたい。
ありがとう、10年前の俺。










『ふーふんふーん。ふふふーん。』


鼻歌を歌いながら隣を歩いている姉ちゃん。
気分は最高潮らしい。


腕を組まれているのは恥ずかしいけど、さっきと比べたら屁でもない。


とりあえずこのまま姉ちゃんの好きなようにさせておくのが1番安全だろう。


そのまま家路につくことにした。