君が嫌い

姉ちゃんの不敵な笑みを見た瞬間寒気がした。


この人本気で言っているんだ、俺の危険レーダーがそう告げている。


『へへへ。一生面倒見るって言っちゃったもんねー。もうこれは結婚するしかないね、かっちゃん。』


ちょっ、ちょっと結衣さん?
目が笑ってないから。


『結婚して子供は10人、全員男の子で名前は勝也にするの。かっちゃんワールドを形成して、それから……』


何を言っているのか理解出来ないけどこれだけは言える、病んでる。
前からおかしい人だと思ってたけど、まさかここまで変人になっているなんて。


もしかして俺が一人暮らしを始めたことをきっかけに姉ちゃんの本心が覚醒してしまったとか。


くそ、姉ちゃんの弟離れ作戦が仇となったか。


『姉ちゃん先行ってるね。』


1人暴走している姉ちゃんをほったらかしレジへ向かう。
こういう時は無視しておくのが1番だ。


背後でまだ妄想トークを繰り広げている姉ちゃんは周りから痛い目で見られていた。