君が嫌い

『ふぁー眠い。』


会社に来たものの寝不足で仕事が手につかない。


頭もぼーっとしていて集中力も湧いてこない。
今日はもうダメだ。


まあ営業だから俺がいてもいなくても痛手にならないから何も言われなかった。
営業職はそこら辺の自由が利くから便利だ。


だからと言って寝不足で帰ろうとしたら流石に怒られる。


上司に体調不良という事で早退する許可をいただき職場を後にする。


『うーん。悩ましい。』


映画館の前で1人悩んでいる。


家に帰って寝るのも良かったけど、1日を無駄にするような気がしたから気分転換を兼ねて映画館に行く事にしたのだが。


観たい映画がない。


それなら最初から行くなよと自分でも思うけど、何故か俺の心が映画を観たいと叫んでいるような気がするんだ。


やばいな、俺。
ちょっとキメすぎたかな。


言葉に出さなくて良かった。
もし出していたら俺の隠された魅力が露わになっていた所だ。


女性同士で俺を取り合うなんてしてほしくないから。
自分を隠して生きていくのもなかなか大変なものだ。