君が嫌い

……さおりちゃん。
思い入れはあったみたいです。


『そんなに私の事嫌いなのね……。でも私諦めないから。勝也ともう一度会うまで毎日連絡するから!』


あかん、こいつの言っている意味が分からない。


『電話してくれるのは勝手だけど絶対出ませんから。何ならこの電話が切れた瞬間に着信拒否するので。』


『ふふふ無駄よ。私を誰だと思っているの?あの中……』


これ以上何を言っても無駄だと判断して切ることにした。


そしてそのまま先ほどの電話番号を着信拒否リストに入れた。


とりあえずこれでもうあいつから連絡来る事は無いだろう。


そしてその日から悪夢が始まった。


それから今日までの1週間、毎日毎日違う番号から連絡してきて会ってくれと言ってくる。


おかしい。
確実に向こうの方が傷ついているはずなのに何故俺の方がボロボロなんだ。


やっぱり蔑の考えている事なんて俺には分からない。


もう仕事行く準備しなくちゃ。
気怠い身体を無理矢理動かしてスーツに袖を通す。