君が嫌い

『えっと、その……。今日は私を指名してくれたりするの?本当は忙しいけど、勝也がどうしてもって言うなら特別に相手してあげてもいいんだけど。』


『はっ?』


思わず声を出してしまった。


『はっ?とは何よ、人がわざわざ連絡してあげたっていうのに。それでするの?しないの?』


何かと思えば自分を指名しろって電話かよ。


しかも名前も呼び捨てだし、俺とお前はそんな間柄じゃなかったはずなんだけど。
相変わらず上から目線は変わらないし。


『いや、今日はその予定無いですね。と言いますか少なからずもう貴方を指名する事はないですね。』


丁重にお断りした。
これくらい言っておけば自分が嫌われている事くらい気付くだろう。


もう一度通わせてくれるチャンスをくれたのはこいつだけど、そのお礼として指名するくらいならもう通わなくていい。
そこまでこの店に思い入れはない。