君が嫌い

『先輩邪魔しないでくださいよ!俺は言わなきゃいけない事が……』


『楽しくお話ししたいんだけどなー。』


『いやでも俺はまだ……』


『タノシクオハナシシタイナ。』


『ご、ごめんなさい。』


瞳孔の開いた目、感情を感じさせない無表情。
酔っ払った姉ちゃんは怒らせると危険。









『何だよー、それならそうと最初から言ってくれればいいのにー。』


『だから最初からただの知り合いだって言ったって……』


冷静さを欠けていた吉孝だったが姉ちゃんの無言の圧力のおかげで揉め事は無事終息した。


『いやだってさ、普通に考えてみろよ。年末にこうしてお前の家に来るって事はやっぱりそれ以上の関係だって思うのも仕方ないだろ?』


『まぁ女に飢えてるやまは特に敏感に反応しちゃうよねー。』


『うるせー!お前は彼女いるからって調子乗るな!』


『やまちゃん童貞だから仕方ないよね、まだまだ人生は長いんだからファイト!』


『……童貞。……っぷ。』


『わ、笑うなー!』


いつものように2人に弄られている吉孝を見て、いつも通りの雰囲気に戻ったと実感する。


色々あったけど何はともあれ一件落着……