やばい、絶対言えるはずがない。
風俗で知り合ったなんて。


早く適当な嘘を考えないといけないのに焦れば焦るほど思考が回らない。
万事休すか。


ピンポーン。
部屋のインターホンが鳴る。


『あ、さっきピザ頼んだから来たのかも。ちょっと行ってくるわー。』


『『ちっ。』』


2人の舌打ちを尻目に急いで立ち上がり玄関へ向かう。


あぶねぇ。
もう少しで俺の黒歴史が公になるところだった。


こんな大晦日に誰が何の用で訪ねて来たのか知らないけどとにかく助かった。
ちゃんとお礼言わなくちゃ。


『はーい、どちらさまですか……嘘でしょ?』


現実というものは時に残酷な仕打ちを与える。
今この状況で最も来るべきではないその人が立っているなんて。


『来ちゃった!!』










『それじゃあ改めまして、今年もお疲れーー!!来年も楽しみましょー!』


本日2度目となる乾杯コール。
1度目に比べ若干1名増えて。