去年は1日1回俺に連絡する。
一昨年は1年間家に戻らず俺の家で過ごす。


正直な話、それを成し遂げたからと言って強くなるとは思えないんだけどね。


……あれ?
よくよく思い返してみると毎回俺が被害を被っているような……


いやいや気のせいか。
現に今年はギャグで1年間過ごしてきたわけだし。


『悠太の今年の1年はどうだったのかなーって話だよ。』


『今年?今年ねえ……』


グラスをテーブルに置いて物思いに耽っている様子。
もしかして地雷踏んじゃったかな。


『あ、あんまり無理して答えなくてもいい……』


『いやー楽しかった!まさか自分の才能に気付かされるとは思わなかったよー。』


どうやら思い過ごしだったらしい。


『才能ってもしかしてギャグ?』


『そうそう!意外と俺のギャグ会社でも評判良くてね。もしかしたら俺はギャグの天才なのかもしれないよ。』


『ギャグの天才って……あはは。まあ悠太にとっていい年だったんなら良かった。』


『てらの方はどんな年だったの?やっぱ惨敗(惨敗)だった?寺だけに……ププッ。』


……この黒い感情はなんだろう。
物凄く目の前で笑いを堪えている友人を殴りたい。