「はあはあはあ」




でも喋りたくても息が切れてうまく声が出ない。

こんな長い距離を全力疾走する事って中々ないよな。





「なんで来たの?」


「え?」




いるから発せられたとは思えないような低くて冷たい声に間抜けな声が出る俺。


どういうことだ?




「いるが帰っちゃうから…」




やっと息が整ったところで答えた。




「なんで私の所なんて来るの?日賀さんと付き合ったんでしょ?」


「違うっ!」




日賀と付き合う?

そんなわけないだろ。


俺はいるの他に好きなやつなんて出来るはずがないんだから。





「俺の彼女はいるしかいねーし、この先もいる以外するつもりねーよ…。ごめんな、いる。さっきの見てたんだろ?俺の話聞いてくれない?」